看護師と子どものコミュニケーション

看護師が子どもに対して行うコミュニケーションとして、非言語コミュニケーションが挙げられる。子どもの年齢にもよるが、特に乳幼児の場合は言語能力が発達途中であり、言葉だけでは伝わらない場合があるのだ。そこで、相手にジェスチャーなどで伝える非言語コミュニケーションが効果的と言える。

抱きしめたり、手を握ったりするのは、子どもが幼いほど喜ばれる非言語コミュニケーションで、相手の緊張をほぐすときなどに有効だ。ただし、子どもによってはいきなり接触されると嫌がることもあるため、様子を窺いながら接すると良いだろう。中には障害などが原因で接触を好まない場合もあり、あらかじめ保護者に確認をしておくと安心だ。

また、入院を余儀なくされた子どもは、病院という特殊な環境や病気に対する不安などによりストレスを感じていることが多い。そのような状況で、子どもを大きな声や怖い口調で叱ったり、嫌がっているのに無理やり処置したりしてしまうと、余計に子どもの心が看護師から離れてしまいかねないだろう。そして、子どもの拒否や拒絶が酷くなってしまうのだ。

そうしたことから、よほど緊急の場合以外はそのようなことは避け、できるだけ笑顔で接するべきと言える。笑顔は通常の心理状態でも安心感を与えるが、病院にいる子どもにとっては特に欠かせないものだ。

だからこそ、なかなか受け入れてもらえなくても笑顔で粘り強く接するようにしよう。子どもは大人よりも敏感なので、相手の口調や行動によって反応が違ってくることが多い。スムーズに看護ケアを行うには、常に笑顔を心がけて声かけやコミュニケーションの仕方を工夫しよう。